announcements interviews MOV
Channel
post small_talk

ジャーナリングに、AIが寄り添う 
手書きで心を整える時代 関口 由依 - MOVの100人インタビュー

sekiguchisan_thumb_.jpg

キャリアに悩んでいた時に、友達のプロダクトが刺さった

--まずは簡単な自己紹介とご経歴をお願いします。

関口由依(せきぐち・ゆい)と申します。今年で39歳です。

新卒から今年の頭まではずっと会社勤めで、事業会社でマーケティングの仕事をしていました。1社目がパルコ、2社目はLOVOT(ラボット)というロボットを作っているスタートアップ、3社目がNECパーソナルコンピュータ/Lenovo Japanグループです。

今は会社を辞めて、キャリアブレイク中と言っているんですが、まあ無職ですね(笑)。独立の準備を進めています。

マーケターという属性もあって、0から1を生み出すよりも、「生まれたばかりでまだ良さが伝わっていないものを、どうやって世の中に知ってもらうか」ということに取り組む方が自分の強みを活かせると思っていて。

そのスキルを活かして独立にむけて準備をしているのですが、昨年末に友人が「これどう思う?」と見せてくれたプロダクトが刺さり、「これを世の中に広めたい!」と思ったので、自分が立ち上げる会社で友人と協業しながら頑張って製品化したいなと考えています。

--どんなところに惹かれたんですか?

ちょうどキャリアに悩んでいた時期なのも相まって、試してみたら刺さったというだけなんですけど(笑)。

このプロダクトがビジネスとして成立するかということより、自分自身の救いになったという原体験があって、その体験と今までの知見を活かして、何かできるんじゃないかと思ったのがきっかけです。それで登龍モヴ(ピッチイベント)に応募したんです。

repo_trm2026_sekiguchisan.JPG

ノートに書いて、写真を撮ると、AIが返事をくれる

--ピッチでは、コクヨ賞とMOV賞をダブルで受賞されました。そのプロダクトについて教えてください。

ジャーナリングとAIを掛けあわせた「ルカミィ(仮)」というプロダクトです。名前はまだ仮称です。日記をノートに手書きで書いてもらい、それを写真に撮ってAIに読み取らせると、AIがお返事してくれるというコンセプトです。

OCRで手書きの文字を認識して、それに対してお返事をしてくれる仕組みになっています。今はまだプロトタイプで、ウェブアプリで提供していますが、ゆくゆくはアプリにしてダウンロードしてもらえるようにしたいと考えています。

--イメージするととってもシンプルなようですが、どんな価値を届けたいと考えていますか?

日記を書くことのサポートを主な目的にしています。ノートの日記って続かないという人も多いので、日々の日記を楽しくする、ジャーナリングで落ち込んだ時も励ましてくれるような、毎日の心のメンタルケアをサポートするためのツールという位置づけです。

けっこう乱れた字体でも、今のところ体感で8割程度、正確に起こしています。読み取り間違いがある場合は直せるようにもしてあるんです。

sekiguchisan_5.jpg

脳の使い方がちがう!? 手書きを大切にする理由

--手書きにこだわっていらっしゃる理由は何ですか?

自分自身、キャリアに行き詰まって会社を辞める決断をした時に、ノートに毎日、自分は何をしたいか、何で悩んでいるかを書き出していたんです。それが人生の分岐点になったという実感があって。手書きで書いてみることで自分に向き合えるというか。書き始めるとスラスラ言葉が出てきて、「私ってこんな風に感じていたんだ」という気づきがある。

心と向き合うには、デジタルデバイスから距離を置いて、紙とペンで綴ってみる。そこにルカミィが伴走してくれるツールとしてあれば、より楽しく続けられるのではないかと思ったんです。

文字って、なにをどう書くか、どういうレイアウトで書くか、同時にいろんな脳や感覚を使うので、物事を順序だてて考え「気づく力」が向上するという研究もあるそうなんです。スマホやPCだと漢字も変換してくれるので記録としては便利ですが、ちゃんと覚えておくとか、自分の気持ちを見つめ直すといった深い作業をする時は、手書きの方が向いているのかなと感じています。

sekiguchisan_1.jpg

ペルソナは「私自身」。悩める同世代の女性へ

--どんな方をターゲットに考えていますか?

ペルソナは「私自身」と言っていますが、同じ年代の女性で悩んでいる方がすごく多いという印象があります。キャリアを頑張りたいけれど、お子さんがいる方もいる。子供がいてもいなくても、どう生きていきたいかが分からなくなりやすいというか、自分の道をバシッと決めている人はそんなに多くなくて、悩みながら生きているという人は多いかなと。

そういった人に寄り添えるツールを作りたいし、ジャーナリングという習慣が日本でもっと広まればいいなと思って活動しています。

--今後の展開はどう考えていますか?

まず周りの人に使い始めてもらっていて、次にInstagramのフォロワーさんにも広げていく準備をしています。また、日記を書く=「自己肯定感を高める」習慣だと思っているのですが、毎日日記を書けない人も多いと思うので、毎日日記を書かなくても「毎日自分を褒めてあげる習慣」をアプリ上で作れるといいなと考えていて、例えばたまごっちのようなキャラクターがいて、毎日自分を褒めてあげるとそのキャラクターが懐くという仕組みです。

ゴミの分別ができたとか、お皿が洗えたとか、小さなことでも1日を振り返って褒めてあげることで自己肯定感を高め、日記を書いたらさらにキャラクターが懐いてくれるというゲーミフィケーション的な要素も加えていきたいと思っています。毎日楽しい気持ちで1日を終えられる習慣づくりをサポートしたいです。

--Instagramでフォロワーさんと一緒に作っているとのことですが、絵もご自身で描いているんですか?

絵を描くのは趣味で、事業会社のマーケターだとこういうスキルは役に立たないのですが、自分でInstagramを立ち上げてプロダクトを作るとなった時に、趣味が活きているなと感じています。ミッキーマウスは中学生の頃からずっと描き続けていて、得意です(笑)。

--プロダクト名はどうやって決めようとしているんですか?

名称は今検討中で、Instagramでフォロワーさんと一緒に決めていこうと思っています。

3案を絵に描いてリール動画でアンケートを取ったんですが、1案目が「ルカミィ(LookAmii)」で「見守ってるよ」という意味、2案目が「ソット(sotto)」で「そっとそばにいるよ」というコンセプト、3案目が「ハレル(hareru)」で「日記を書いた気持ちが晴れるよ」という意味です。

自分で考えた渾身の案として「ルカミィ」を出したんですが、「ソット」と「ハレル」の方が人気で、まだ(仮)のままにしています(笑)

sekiguchisan_2.jpg sekiguchisan_3.jpg

手放したら、入ってきた

--会社を辞めてから、生活はどんな感じですか?

今は夜型で、朝はちょっとゆっくりおきて、ラジオ体操をして、猫のお世話をして、新聞を読んで、という感じでのんびり過ごしています。

会社を辞めてキャリアを手放したことで、新しい出会いや自分のやりたいことが見えてきたと感じています。「手放すと入ってくる」というのは本当だなと、今すごく嬉しいです。

--プライベートで楽しんでいることは何ですか?

猫を2匹飼っていて、上の子が5歳、下の子が4歳です。サウナが好きで、最近は青春18きっぷで伊勢神宮まで行ってみたりと、効率よりも過程を楽しむような旅も取り入れています。好きな食べ物はお肉です。

--最後に、ここMOVについての感想を聞かせてください。

sekiguchisan_4.jpg

コーヒーが大好きなので、セルフドリップで淹れられるのが嬉しいし、とても美味しいです。(笑)。

渋谷のコワーキングというとハードルが高いイメージがありましたが、全然そんなことはなく、温かくてクラフト感があって素敵だなと感じています。これからどうぞ、よろしくお願いします。

MOVの100人インタビューに挑戦中!(TEXT:代打 MOVてんちょう)