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児童養護ホームの子どもたちの支援と金融、
二足のわらじで日本社会に向き合う You Me We代表 マイケル・クレモンズ - MOVの100人インタビュー

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--まずは簡単に自己紹介をお願いします。

マイケル・クレモンズです。アメリカ人です。

祖父が大戦後に山梨で働いていた影響で、子どもの頃から日本を身近に感じていました。

1989年に来日し、当時はバブルの絶頂期。証券業界で働きながら、スミス・バーネイ、ドイツ銀行、CLSAなどを経て、2007年にバークレイズに移りました。

リーマンショック後に野村證券へ転職し、その後、東日本大震災をきっかけに、Wi-Fi設置プロジェクトを開始しました。

岩手・宮城・福島の施設に350台の新品PCを送ったり、ExcelやWordなどの基本操作を教えたりもしました。その頃から、慈善活動にも本格的に関わるようになりました。

--今は、どんな活動をされていますか?

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2つの組織を運営しています。1つはNPO法人で、もう1つは証券リサーチを行う株式会社です。

NPO法人YouMeWeは、児童養護施設にPCを提供し、Wi-Fi環境の整備も進めています。施設で育つ子どもたちが、施設を離れる18歳になると同時に、十分な能力を持ち、経済的に独立した成人になれるよう、さまざまなサポート活動を10年以上続けています。

また、証券関連の仕事では、機関投資家向けにアナリストや企業の調査・ランキングを行い、そのデータを販売しています。

--NPO法人を始めたきっかけは何ですか?

2007年に児童養護施設で「サンタクロースをやってくれないか?」と頼まれたのが始まりです。

そこにいた、海外にルーツのある子どもたちが、その出自が理由で施設にいるという現実に衝撃を受けました。

翌年からアートキャンプを開始し、ダンス、書道、絵画などの文化的な活動を提供しています。

なぜ日本に寄付しようと思ったのかというと、寄付先としては、インドや東南アジアばかりが注目されていたからです。私は『日本にも支援が必要な人がいる』と考えていました。

日本の子どもの貧困率は、決して低いわけではなく、隠れた虐待の問題もあります。

--NPO活動と証券業のバランスはどのような感じでしょうか。

バランスの取れた三角形のような関係ですね。日中はリサーチ業務をしながら、空き時間でNPOの運営と、最近はコーチングにも力を入れています。子どもたちの就職支援のためにリクルート事業も始めました。

コーチング領域では、キャリア支援やライフコーチングを行っています。特にエグゼクティブ層は相談相手が少ないので、対等に、信頼して話せる関係性が重要です。

「Empower Village Mindset」という週1回のセッション形式のプログラムも立ち上げ中です。

--MOVという場についてはどう感じていますか。

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「ネオ・エシカル」をテーマに開催されたトークイベントで、YouMeWeの活動を紹介するマイケルさん。2016年MOVにて。

私は、2014年か2015年ごろから、ここに来ています。TEDxが上の階にあった頃で、この施設ができた直後だったと思います。

とても良い場所ですよね。ここで様々な人と出会い、活動の幅が広がりました。3Mのようなグローバル企業とも連携し、調査や発表の機会も増えています。

--日本社会に感じる課題は何ですか?

アメリカというと、「多様性」の国ですよね。黒人、中国系、日本系、インド系の人も、みんなひとくくりに「アメリカ人」です。

それに対して、日本では、里親制度が進まず、施設で育つ子どもが多い。それに対する理解も支援もまだ不十分です。

でも、私が支援した子たちの中には、BMWやスクウェア・エニックスなどの有名な企業に就職した子もいます。

日本の未来には、適切な支援次第で「希望」があると信じています。

--最後に、NPOの活動と他の仕事を両立しつつ、将来やりたいことはありますか?

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将来的にはコーチングに力を入れていきたいと思っています。

会社もあるし、NPOもあるけれど、それに加えてリクルート系の会社も立ち上げて、18歳になった子たちの就職をサポートしてる。

そこから得た収益をNPOに還元したいです。もっと子どもたちが社会の一員だと感じられるように支援を続けたいですね。

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