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帯広からフルリモートで人材紹介。
AI時代に生き残る仕事は「行動を変えられる人」 高橋 秀成 - MOVの100人インタビュー

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--まずは簡単な自己紹介をお願いします。

職業紹介・人材紹介をする、株式会社ディーセントワークを経営しています。高橋秀成(たかはし・ひでなり)です。

もとは求人広告の業界にいました。

求人広告業者は、採用する会社と応募する人の間でトラブルがあっても、直接介入することができません。

それでいて広告業者は、トラブルの情報には常に触れています。

情報ばかりで介入できないのがもどかしかったところから、職業紹介の世界に入ることになりました。

現在は、北海道の帯広市在住です。

--なぜ帯広在住でMOVを利用しているのですか?

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帯広に移住したのは会社を設立した後の2022年です。

帯広は妻の出身地で、コロナ禍を経て仕事が完全にリモートで成立するようになったこと、育児をするにも妻の実家が近い方が良いことから、移住を決めました。

弊社はコロナ前の創業時から全従業員がフルリモート勤務ですが、19人の全員が関東在住です。東京には月に1回くらい来て、従業員と会って食事をすることもあるので、会社所在地をMOVに置いているんです。

--現在の人材市場の状況について教えてください。

人手が足りず、売り手市場であるのは確かです。

しかし転職が簡単だからこそ、働く側の人が深く考えず、失敗することも増えています。

企業側も、詐欺のような業者に騙されたり、妥協して採用した結果うまくいかなかったりする事例が増加中です。

ある意味、市場は「荒れている」とも言えると思います。

--AI時代において残るのはどんな仕事ですか?

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「転職予測と自己実現の叶え方!」というキャリアトークショーをMOV市で開催した時の様子

職種ではなく付加価値として、「行動変容を促すことができる人」は、今後も残っていくと思います。

今、医師の役割の中でも、検査結果から病気を判断することは、AIのほうが得意な領域になっています。

でも、手術をためらう人に対して、医学的知見をもってその人の背中を押すことができるのは、人間の医師だけなのです。

また、AIはインターネットに公開されている情報しか読めないので、業界内のネットワークでしか知れないようなことを知っているというのも、「人間ならでは」の付加価値ですね。

--そんな時代に、転職市場で求められるスキルは何ですか?

組織の中でつく実力は限られています。企業のほうも、そんなに「実力」を求めてはいません。

その上で、量・質・時間(スピード)のそれぞれを重視してこなす経験は、一度でもあったほうが、後になって身に着けるのは難しいかもしれませんね。

あとは「時間や約束を守る」というような当たり前のことができるということと、能力が明確で再現性があるということがあれば、十分です。

特に起業に関しては、転職では何の能力もつきませんよ。僕は「起業したい」と言われたら「今やりましょう」と返しています。ベンチャー企業だって、サラリーマンしかいないのです。

会社員をしながら起業したって良いと思います。「何でもいいからやってみたら?」と伝えています。大体の人は、やらないんですけれどね。

--地方と首都圏で、どちらのほうがチャンスが多いですか?

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個人の職探しであれば、首都圏の方が求人数が多いのは確かです。

ただ、数は少ないながら、地方の人でもフルリモートの首都圏の仕事に採用される可能性は十分にあります。エンジニアだけでなく、営業や企画職でも募集はありますよ。チャンスがあればつかもうと考えておくことが大切です。

反面、事業者側については、地方のほうがチャンスがあると考えています。

今、地方は「困っている感」が首都圏とはケタ違いです。それに、情報もなかなか入って来ません。だから、首都圏では霞んでしまい、耳を傾けてもらえないような提案でも、地方では聞いてもらえます。土地があるので、イベントごとがしやすいのもメリットです。

また、首都圏の企業も、従業員を地元に住まわせれば、少ない費用で豊かな生活をさせられます。

最初はそういうところから始めて、リモートでのマネジメントノウハウを身に着けていけば、全国から採用ができるようになります。人手不足からも脱却できて、ブランドも全国に広められますよね。

--職業紹介をする上で、気をつけていることは何ですか?

雇う側も雇われる側も、実現したいことがあって、長く働きたい・働いてほしい。同時に、お互いに不安がある。だから、真ん中に立ってフラットに両者を見て、必要なことは教えていく人が必要だと思っています。

僕は、本人よりもよく考えます。転職する本人が気づかないものも「これは確認しましたか?」と聞きます。

おかげですごく頼ってもらえることが多いです。入社後の昇進・昇格・異動などのタイミングで相談に来る人もいます。

転職した人が昇進して、その下に新たに入る人を僕がまた紹介するような、良い連鎖もつながっています。僕が紹介した人材が50人ほども入っている企業もありますよ。

--仕事以外の活動について教えてください。

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開かれたPTAを作ろうとしています。

子どもが小学校3年生で、僕は1年生のときからPTAの役員をしています。

世の中ではPTA廃止の声が大きくなっていますよね。子どもの学校もその影響で、今年からPTAは今後なくす方向で、有志がいれば活動してくださいという方針になりました。

僕はPTAはなくしてはいけないと思っています。保護者から学校の中が見えなくなって、問題がもみ消されたり、ブラック校則のようなルールがまかり通ったりするからです。

保護者として学校に出入りすれば、子どもの人間関係も見えますし、保護者同士で相談ができるメリットもあります。

--実際にどのようにPTA活動を続けているのですか?

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僕は「有志として1人でもやります」と宣言しました。すると、他の保護者も協力すると言ってくれて、活動を続けています。

その中で特に意識しているのは、働いていて参加しにくい保護者への配慮です。LINEのオープンチャットのように匿名で自由に入れる場を作りたいと考えています。

普段はあまり保護者同士の付き合いをしていない人でも、ちょっとした困りごとを相談できる場所にしたい。

さらに、高学年の思春期の様子を聞けたり、新1年生の保護者が入学前から学校の雰囲気を覗けたりと、タテのつながりで未来の状況を知れる場になると、より良いのではないかと考えています。

--今後、どのようにPTAを開いていきたいですか?

今学校で使われている連絡アプリは、一方通行です。返信を自由にしてしまうと保護者対応が大変になるという懸念があり、親も先生も守りに入りすぎています。

でも僕はそういうのが嫌で、「責任は僕が取ればいいんでしょう」と言っています。答えるのも僕がやるし、クレームが来たら僕が謝ります、と。

誰かが間に入れば先生も少し楽になるし、保護者も聞きやすくなる。PTA会費を取られている以上、その分くらいは何か還元すべきだと思うのです。

そうやって開かれたPTAは、地域活性にもつながると思っています。

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