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「広告が嫌われ始めた時代」に、広告で勝つ方法。
クロスシナジー株式会社 鳴海 拓也 - MOVの100人インタビュー

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--まずは簡単な自己紹介をお願いします。

鳴海拓也(なるみ・たくや)と申します。

2005年から、ウェブ広告のコンサルティングや運用代行の仕事をしています。2013年に法人化して、クロスシナジー株式会社になりました。

広告キーワード選定やクリエイティブの作成も行いますし、日々の運用では「昨日までいくら使って、その結果何個売れた」のデータを見て、細かな設定変更を担います。

顧客はコワーキングスペース、薬事コンサルタント、アパレル、雑貨、PCやスマホなどのデータ復旧サービス、転職エージェントなどになります。

--競合が多い業界かと思いますが、どんな工夫をされていますか?

顧客とはチャットやメール、定例会などでやりとりをして、「今月はこういう層からの問い合わせが多かった」といった定性的な情報も加味して、費用対効果の高いキーワード選定につなげたり、広告画像やテキストの変更を行います。

また、競合他社が強い業界では、広告の内容や費用だけでは厳しいので、全体的なSEOや、社内のオペレーションまで見て改善を考えることもあります。

たとえば、問い合わせ1件を取るのに10万円の広告費をかけても、営業担当者にそのことが共有されていないと、事前情報で簡単に成約を諦めてしまうことがあります。そういうところまで踏み込んで、ウェブ周りの活動全体で利益が出せるしくみづくりを行うのです。

--今、ウェブ広告を出す上でおすすめはどこですか?

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やはりGoogleは強いですね。

日本ではGoogle検索がよく使われているので、どんな業種でもコンバージョンが取れるのがGoogle広告だと思います。

あとは商材によってはMetaです。

基本的にMetaは仕事中には使わないメディアで、Metaの広告はBtoCの製品に適していると感じています。

--なぜこの業界に入ったのですか?

広告代理店に勤める傍ら、自分で趣味のウェブサイトを作って、アフィリエイト広告を載せていました。

アフィリエイトからのつながりでリスティング広告の存在を知り、仕事としてやってみようと思ったのがきっかけです。Googleが日本に入って来て数年くらいの頃ですね。

--20年間で、業界はどう変わりましたか?

広告の費用対効果の考え方が変わって来た印象はあります。

例えば新聞や雑誌など紙媒体の広告であれば誰が何人見ても広告費は一律同じ価格で、そこから何人が買ってくれたのかも明確には分かりません。

ところが、Google広告などのデジタル広告ならターゲットを狙い撃ちして1万円だったりしますし、広告が何回表示されてそこから何人が申し込みや購入につながったのかも数字で分かります。

広告費の金額が変わっていなくても、内訳や考え方は大きく変わっていると思います。

仕事をする側としても、便利にはなりましたよね。

特にzoomの普及は大きいです。移動してクライアントの会社で打ち合わせをするのと、zoomで行うのとでは、移動時間の分、1〜2時間くらいの差が生まれます。その分、業務時間を増やす事ができ、クライアントも増やせるようになりました。

あとは、AIをはじめとするITツールの革新です。多くの機能を結び付け、知恵を出してうまく使えば、かなり効率化ができるようになっています。

私は仕事でGoogleをよく使うので、同じGoogleのワークスペースに含まれているGeminiを愛用しています。広告クリエイティブでも、いったんAIにアイディアを出させ、その中から選んだものを手直しして利用することが増えていますよ。

--ウェブ広告業界は今後、どうなっていくと思いますか?

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近年、ウェブ広告は嫌われ始めています。画面の半分以上が広告で埋まってしまったり、詐欺広告が問題になったり。広告ブロックのアプリも出ています。

今、広告業界が何も対策をしないでいると、今後は落ちていく一方だと思います。スマホでネットを見ている時間が減り、人々が広告を避けて別の方に流れるというのはあり得ることです。

また、今でこそウェブ広告といえばまずGoogleですが、これもそろそろゲームチェンジが起きる可能性はあります。

インターネット企業は10年から20年で失速することが多いので、日本での提供が20年を超えたGoogleも、スタートアップやAI企業にとって代わられるかもしれません。

ちょうどこのインタビューの数日前、Googleから新しいアップデートの発表がありました。具体的な様子はまだ分かりませんが、検索結果の中で、AI回答と広告が融合されるというような話です。

Googleも時代の流れに乗る動きを見せる中、Googleがどうなるのか、広告業界全体がどうなるのか、まだどちらになるとも言えないと思います。

--これから業界で働く若い人に伝えたいことは何ですか?

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「広告だけを学ぶだけではなく、マーケティング全体を学ぶこと」「知識は本で得るようにしたほうが良い」ということです。

検索ではブログ記事などが出てくると思いますが、断片的な情報しか手に入りません。網羅的に勉強できるのはやっぱり、本です。

今は広告ツールも個人が使えるようなものになってきていて、自動化も進んでいます。問い合わせたりAIを使ったりすれば、70点くらいのものはできてしまいます。

今はまだクリエイティブ部分の完全自動化は難しいですが、やがてはそれも、自動化されるでしょう。

プロが関わるのは、その70点のものでは到達できない場所に向かう、さらに上の部分です。

だからこそ、マーケティングのしくみから学ばなければなりません。広告だけではない網羅的な知識と経験をもとに、自動化された中から出て来たデータをどう読み解けるか、どう戦略を立てられるか。

それが、プロとして必要とされるための条件になってきます。

--仕事以外の時間は、何をしていますか?

10歳と6歳の子どもがいて、今は子ども優先です。

土日は子どもと一緒にゲームをしたり、お出かけしたりしています。

--今後やりたいことは何ですか?

妻や子供たちといる時間が大事なので、家族で旅行をしたいですね。ゆっくり日本全国を回ったりしたいです。

代理店の仕事はクライアントの手となり足となり、動き回ることなので、これまで休まず動いてきました。今はもう少しゆっくりしたいと思っています。

--MOVはどのように利用していますか?

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入会したのは2017年か2018年頃です。

その前は打ち合わせもその中でできるような、完全個室のレンタルオフィスを借りていました。少し安くなるのならシェアのスペースでも良いかなと思って、MOVのレジデンスに移動してきました。

会議室での打ち合わせもできますし、BGMも適度に流れていて静かすぎず、集中しやすいと感じています。

コロナ禍以後は自宅にも仕事環境を作ったので、家で仕事をすることも多いです。クライアントの訪問があるときにMOVで仕事をしてから行くなど、柔軟な使い方をしています。

MOVで広告の仕事を受けたり、イベントで話をしてつながったり、他の利用者との交流もあるので魅力的なスペースだと思いますね。

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