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リモート医療も身体性も──「効率」のその先を見つめる。
井餘田 恭大 - MOVの100人インタビュー

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--まずは簡単な自己紹介をお願いします。

井餘田恭大(いよた・やすひろ)です。

外資系の医療機器の会社で、マーケティングや営業の業務改善や業務支援をする仕事をしています。

主な仕事内容は、インサイドセールスの導入支援や営業リソース配分の適正化支援、バックオフィス業務の効率化支援、更には医療機器の操作方法などを遠隔で伝える為のバーチャルツールの導入支援です。

その他、全事業部横断の顧客対応コールセンターの構築なども推進してきました。

総じて、私自身が直接お客様に対応するのではなく、営業部門がより効果的、効率的に営業活動ができるように一緒に考える仕事です。

--ご経歴を教えてください。

国内の大学卒業後、機械メーカーにて建機の油圧機器の国内・海外営業を7年、その後、大学院留学の為に退職しアメリカのアリゾナ州でMBAを取得しました。

帰国後は外資系の生命保険会社と携帯電話会社にそれぞれ2年ほど在籍した後、現在の医療機器メーカーに転職し20年経ちました。

今の会社では、最初の数年間、業務プロセス改善を推進するシックスシグマの研修講師やプロジェクトコーチング、また、自らも様々なイニシアチブをリードするプロジェクトを経験しました。新卒で入った機械メーカー時代から、何かをより良くするという業務改善の仕事が好きで、転職を3回、業界はそれぞれ全く異なりますが、そのマインドは一貫して共通していると自分でも思っています。

--日本企業と外資企業の両方で働いて、どんな違いがありますか?

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外資系はドライ、日本企業のほうがウェットというのは、一般的な傾向としてあると思います。ドライが故に仕事がしやすい人もいれば、寂しいと感じる人もいて、相性ですよね。

外資系の方が人材をリソースと捉えていて、パズルのピースに合う人で埋めるように考えるのに対し、日本社はパズルのピースに多少合わないけど、入れた後に合わせるような感じはあります。また、前者の場合は、人材の入れ替わりが比較的容易に行えるので、マネジメントが変わる度に入れ替わりしやすい傾向にあります。最終的には自分が何を創り出したいかを持っている人は、マネジメント体制が変わろうと、その軸で自身がどうしていくかを判断しやすいのではないでしょうか。

--医療現場の自動化・遠隔化は、今どのくらい進んでいますか?

医療業界全体で見れば、特に日本では規制の壁が高く、文化的にも保守的で、欧米と比較すれば遅れているところはあります。

ただ、分野を限れば、手術室内で医師がコンソールというもので立体画像を見ながら、ロボットアームを遠隔操作して手術を行うシステムの導入は、かなり多くの病院で進んでいます。

日本の場合は国土が狭く交通インフラが発達している為、医師が移動することの負荷が他の国に比べれば低く、また法規制の面から、完全な遠隔手術の導入(例:東京から北海道の患者の手術をするなど)は簡単には進まないと考えられますが、将来的には遠距離での遠隔手術をする時代が来るかもしれません。

--業務改善の上で、典型的な課題は何ですか?

まずはコミュニケーションの部分ですね。話せていないということが、改善のバリアになっていることが多いです。

組織のカルチャーが良くない場合、事実をありのままに話すことに抵抗が出てきます。なぜなら、詳細を知られることで、例えば自組織や自分自身の業務が効率化の対象とされ、仕事がなくなるのではないかという心理的抵抗感が生まれたりします。

もう1つは、問題解決思考への偏りです。目の前の問題を解決することに注力していて、新しく創り出していく思考になりにくい。マイナスをゼロにしたところで終わってしまうのです。組織が目指すビジョンが共有できていないと問題を潰すことが目的化しがちです。

特に大企業の場合は、自分の任期中だけ業績や株価が良いという経営になりがちであり、問題解決思考から脱するのが難しくなります。また、組織に構造上の問題があると、その組織の構造にアプローチしない限り、その組織の人だけを入れ替えても同じことが繰り返されてしまいます。

自分たちは何を創り出していきたいのかが議論され、組織の目指したい状態が共有されていれば、とるべきアクションは問題解決思考の時と大きく変わってきます。

--仕事以外ではどんな活動をしていますか?

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今、主な活動は3つあります。

まずはここ4~5年、哲学と美学を学ぶ学習コミュニティに参加しています。

2つめは構造コンサルティングです。人は、創り出したいものと、それに対する現状と、これまでに蓄積されてきた思考パターン(固定概念/観念)の3つが動めいて回っています。往々にしてその固定概念の部分が、足を引っ張り、上手くいかない要因となることが多いです。

構造コンサルティングでは、そのパターンをクライアントと探求して、現実とそうでないものを分けていきます。

心理カウンセラーやコーチングと違うのは、構造コンサルティングはあくまでも思考パターンの気づきを見つけるだけで、その先どうするかはクライアント次第というところです。ゴールや目標を見つけるお手伝いなどはしません。

哲学と構造コンサルティングを通じて、人、世界、資本主義の構造のようなことが分かってきて、自分が今後、この世界の中でどうやって生きていくのか、考えるようになりました。

特別に生きにくいと思っているわけでもないですが、この資本主義という構造の中で、自分がどこにどのように身を置くのか。最近は、地球にやさしい形であったり、直接顧客のリアクションが分かったり、そういう仕事がいいかなと、思い始めています。

そんなところもあって、仕事以外での活動の3つ目は、ボディコンディショニングです。

--ボディコンディショニングについてもう少し教えてください。

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私が学んでいるのは、モビリティケア®というボディコンディショニングで、西洋医学と東洋医学を組み合わせ、筋肉、内臓、感情面を統合して扱うアプローチです。呼吸法、ストレッチ、経絡(ツボ)などを使って体をゆるめ、可動域を広げます。そうなることで、筋肉の強張りや内臓不調の解消、引いてはメンタルの安定にも繋がり、まさに一石三鳥です!

スポーツのパフォーマンス向上のためだけでなく日々の生活でもダイレクトに効果が分かる、顧客と直接に関わる仕事として、ボディコンディショニングはいいなと思っていて。今後、週1程度で副業としてやっていけたらと思います。MOV市でも「1分で首を緩めます」と題して、簡単な経絡アプローチにより、20人以上の方々の身体を緩め、皆さん驚いてました!

--MOVはどのように利用していますか?

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仕事場として利用しています。2025年で入会して1年くらいになります。

私の職場は、コロナ前は毎日出社でしたが、今は在宅ワーク中心で、出社は月に1度くらいです。

コロナ禍ではzoomミーティングばかりで家から出ず、過労と過労に鞭打った運動により体を痛めてしまい、それがボディコンディショニングを始めるきっかけになりました。

生活リズムを作る上でも家から出ようと思っていて、非常に快適な場所を見つけたので、今は月会員としてMOVで仕事をしています。

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