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カレーは年間365食。人の魅力を尖らせて
デザイナーからブランディングプロデューサーへ。かりぃーぷぁくぷぁく - MOVの100人インタビュー
--まずは簡単な自己紹介をお願いします。
かりぃーぷぁくぷぁくです。
カレーを年間365食以上食べる生活を7年以上送り、カレーの歌しか歌わない縛りで音楽活動をしています。
他にウェブデザイナーとしてのキャリアが17年くらいで、カレーとウェブが2本の軸です。
--なぜカレーなのですか?
子どもが生まれることになり、東京で、核家族での子育てに不安があったので、妻の実家がある関西に引っ越すことを決めました。妻が先に神戸の新居に行くことになってからは、ご飯を作るのが面倒で、毎晩外食でした。
そのとき、高田馬場の「カリーライス専門店 エチオピア」に出会って、ドハマりしてしまったんです。
でも、何度か食べて「好き」の気持ちがMAXになったところで、神戸に引っ越さなければなりませんでした。
神戸にも似たカレーがあるのではないか。そう思ってカレー店をめぐってみましたが、似た味は見つからず、「どう違うのか」のデータだけが溜まっていきます。
それが途中から「違っていても、良さがあるな」と感じるようになり、新しいカレーを見つける楽しさから、いろいろな店を回り、紹介するようになりました。
--多くのカレーを食べて気づいたことは何ですか?
1つは、東京と関西のカレーの違いです。
東京のカレーは、いかに「本物」を再現できるかが問われているように感じます。関西では、「人と似たくない」思いが強くあり、アレンジを加える傾向が強いです。
そこから振り返ってみると、カレー以外の部分でも、東京では「正解」を求める社会だと感じることが多いなと思います。
もう1つは、辛いのが苦手な人を無視してはいけないということです。カレーが嫌いな人はあまりいない一方で、辛いものが苦手な日本人は多いですよね。
本格的なカレーは辛いというイメージがあって、マニアはつい辛いものを追い求めてしまいます。でも、本当はインドのカレーもそんなに辛いばかりではないし、辛くなくてもおいしいカレーはたくさんあるのです。
エキゾチックでマニアックなカレーの情報は、多くの日本人が求めているものではなくて、少し怖いものですらあるのかもしれません。実際、「ラーメン店には1人で入るけれど、カレー店には1人で入ったことがない」という人は、けっこういます。
辛いカレーだけがすべてではなく、いろいろな味の攻め方があることを知ってもらいたいです。そのために、できるだけマニアックにならない発信の仕方をしようと思っていますね。
--今までで印象的だったカレーは?
最もユニークだったのは、大阪の「元祖とんかつカレー カツヤ」のカツカレーです。
ここのカレーは、仕込みは月に1度しか行わず、2年以上熟成したルーを使います。驚きの作り方ですが、カツカレーでも胃にもたれる感じがなく、おいしいと思いました。
でも、おいしいという点ではやっぱり、ダントツ「エチオピア」だといまだに思っています。東京に来たときは、必ず一度は食べに行きますよ。
「エチオピア」の都内4店舗のカレーは、本店の店長が1人で4店舗分を作っていると噂です。だからどの店舗で食べても同じように美味しいのだそうです。
--いわゆる「オタク」のように強い個性を持つには、どうすれば良いでしょうか?
「義務だから」ではなく「好きだから」する。そうじゃないと何事も続かないと思います。
その意味では、好きなものを好きなままに続けていきたいのなら、うかつに職業にしない方がいいと思いますね。
私も若いときは「自分には何もない、人がするのと同じことをしたら自分には価値がない」と思っていたんですよ。
でも今は、価値観が変わってきました。カレーインフルエンサーはいっぱいいても、私が伝えられる、私に見えている世界は私だけのものです。
本来、表現欲求が承認欲求を上回っていなければいけないと思います。他人にウケるかどうかよりも、まずは自分が何が1番好きか、何を世の中に伝えたいか。
硬い言い方をすれば「理念とビジョン」。企業だけではなく、表現する人、個人事業主にも、誰にでも必要なものだと思いますよ。
--ウェブデザインの仕事はどうやって始めたのですか?
学生から社会人になって、十数年間演劇に没頭していた時期がありました。それだけでは食べていけないため、アルバイトをしなければならないのですが、公演のたびに休まねばならずなかなかバイトも続きません。
ウェブの仕事なら家でできると思って、独学で始めました。今は個人事業主でやっています。
最初はいろいろな劇団のウェブサイトをつくるところから始めて、その派生で「こんなのも作れますか?」と言われ、仕事の幅が広がっていきました。
--神戸に移住して、仕事は困りませんでしたか?
最初は本当に大変でした。それまでは、飲みの席で自然と依頼が発生するような営業方法でしたし、コロナ前の2016年で、まだリモートワークが一般的ではなかったのです。
でも、紹介されたビジネスグループに参加し、安定して依頼を受けられるようになりました。また、実績が増え、事例からイメージが伝わりやすくなったのも、困らなくなってきた理由の1つだと思います。
コロナ禍でオンラインミーティングが一般化したおかげで、今ではまったく困りません。
--今後、どのような取り組みをしたいですか?
最近は、デザインをする実務よりも、やりたいことを聞き取り、戦略を考えるところが面白いと感じています。
私はもともと、業種イメージとは違う提案をすることが多いです。現代人は毎日いくつものウェブサイトを見ているので、違和感でもいいから「何だったんだろう、あれは」と思ってもらわないと始まりません。
ただ、奇をてらったものを外部から与えても、続きません。その人の中にあるものを尖らせて、視覚的な形にしていかなければならないのです。
私はその部分が得意ですが、これはウェブデザインにとどまらない「ブランディング」ですよね。今後はそこを前面に出していきたいです。
その上で、理念を共有できる仲間を増やし、幅を広げていきたい。人員を増やして各自の長所を活かせるようにプロデュースすることで、私自身ももっと世の中にたくさん貢献できるようになると思うのです。
だから、今後は「ブランディングプロデューサー」と名乗って、得意を活かした生き方をしていきたいですね。
--MOVはどのように利用していますか?
MOV市では「レトルトカレー食べ比べ」トークショーも開催
スリランカの「ライオン・ブリュワリー」のビール、これはどんなカレーにも合うのですが、そのアンバサダーに任命された際、東京に頻繁に来ているならと、MOVを紹介されたのです。
今は月に1度、1週間くらい東京に来るので、そのときにMOVを利用しています。
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