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ライスワークもライフワークも混ぜてしまえ。
広告のプロが大学院で学ぶ理由 永山 始 - MOVの100人インタビュー

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--まずは簡単な自己紹介をお願いします。

永山始(ながやま・はじめ)です。広告の仕事をしています。

もともとは広告のデザインや企画演出をしていて、最近はブランディング、デザイン系コンサルティングと合わせて3本柱です。

動画広告をはじめとして、コピーライティングやコミュニケーション設計にも入らせてもらって、媒体の選択、媒体ごとの表現についても関わります。

--顧客や媒体はどんなものが多いですか?

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顧客の業種は多岐にわたりますが、多いのは不動産と食品、自動車関連事業です。

購入後の後押しや、LTVを上げる施策のための映像制作が多いですね。

近年は、集客自体はウェブで完了していて、集客した人をどう購入や継続に導くのかというところにお金をかける大手企業が増えていると感じます。

動画などの制作物も、営業ツールに近い位置づけになってきていますね。営業マンが口頭で伝えるだけではなく、営業のクロージングの前に盛り上げる素材として作ってほしいというのです。

--ご経歴を教えてください。

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映画のタイトルが出る前のオープニング映像が好きで、映像編集・デザイン会社の門を叩きました。

その仕事をするうちに、今度は広告のロジックが面白くなってきて、広告制作会社に転職し、CMプランナー、コピーライター、プロジェクトマネージャーなどを経ています。企業勤めは合わせて5、6年くらいで、2005年に独立しました。

人に使われるのが嫌で、広告の世界に入るなら独立しようと、最初から思っていました。サービスの入口と出口があれば仕事は来るだろうと、その部分だけ勤務の中で学んで独立し、残りは独学で構築しましたね。

--仕事以外でどんな活動をしていますか?

2025年4月から、通信制の大学院に入りました。

先ほど独立するときに入口と出口だけを学んだと話しましたが、やはり真ん中の部分が独学なのはコンプレックスで、芸術のことをきちんと学び直そうと思ったのです。芸術に関する文脈を知ることで、人生が豊かになるのではないかという思いもありました。

今は、京都の芸術の変遷についての授業や、コミュニケーションデザインの授業を受けています。課題も実践的なものが多く、考える時間が楽しいです。

2年間の学びの後はまだ考えていませんが、別の分野の大学院に行って、生涯勉強をし続けるのも面白そうだなと思います。

--今後、やりたいことは何ですか?

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お金をもらわなくても楽しい仕事を増やして、ライスワークとの境界線をなくすように生きていけたらいいなと思っています。

その1つとして進めているのが、ボランティアでの子ども向けイベントの開催です。

2024年から始めて、最初の年に行ったのは、学校全体を使ったおばけやしきと、全校生徒で追いかけっこするイベントです。普段は規則がある学校と、違う形で関わる機会を提供したかったんです。

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普段学校では見せない歓喜がみられて、とても幸せでしたね。毎年やってほしいと言っていただきました。

2025年にはキャリア教育イベントを開催しました。地域の保護者の職業を見てみたら、それぞれ業界の一流が揃っていたんです。そこで保護者にその職業のお話を子どもたちにしてもらったんです。

有名なミュージシャンや漫画家、気象庁のデータサイエンティストを始めとした人々が終結しました。

例えば、世界的なブランドを手がけるファッションブランドディレクターさんは、洋服ができるまでの流れに止まらず、自分らしさを表現する意味など深いお話をしてくれました。

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カンヌ国際映画祭で受賞したドキュメンタリー番組を手がけるディレクターさんは、社会の捉え方、ニーズの読み方、人から深い内面を聞き出す方法などを教えたり、国連サミットを担当したシェフが現場での話をしたり。

幅広い職業や、やりがいを腹べて見られるのは大人でも興味深くて、とても人気でした。

特に保護者から「この機会を子どもに与えてもらえて本当にありがたい」と。来年からは学校サイドで開催したりと、世田谷区全体にこの取り組みが広がってほしいです。

--ボランティアの楽しさはどこにありますか?

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利害関係や上下関係ではないチームビルディングを試せるところです。エンゲージメントやモチベーションをどうやって高めるのか、ビジネスの場にはない力学を考えて試せるのは面白いと思います。

あまり知見のないものに取り組むのが好きなんです。反対に、ずっとやってきたことを同じようにやるのは苦手ですね。

成功したプロジェクトの手法をなぞるように言われたりすると、モチベーションが下がってしまいます。

実は、今のようにお金にならない活動をしたいと思い始めたのは、2020年頃からです。

ちょうどその頃に、広告の世界で求められるパターンをひととおり経験した感覚がありました。焼き直しばかりでつらくなり、新しい分野に挑戦したくなったのです。

--海外経験はありますか?

2024年にタイに行ったくらいです。そのときはゴルフが目的でした。

日本と変わらない値段で、1人1台のカードとキャディさんがつくのはリッチでしたね。キャディさんがプロを目指している人で、とてもうまいんです。

でも、行ってから気がついたのは、ゴルフ場のフォーマットは世界のどこでもあまり変わらないということでした。バンコクでもどこでも、ゴルフ場に行ってしまえば、移動中の車窓以外では海外旅行をしている雰囲気が味わえません。

それで予定を変更して、ゴルフを1日キャンセルし、バンコクをうろうろすることにしました。上座部仏教の文化や、お坊さんが町の人にとても尊敬されている様子などを見て、日本との違いを感じられて面白かったです。

今は、海外でゴルフをするのはもうやめようと思っています。

--行ってみたい場所はどこですか?

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ニュージーランドです。

スケールの違う大自然のアクティビティがたくさんあることを知って、あこがれになっています。

例えばヘリスキーといって、ヘリコプターで山頂近くまで連れて行ってもらい、スキーやスノーボードで滑り下りるツアーがあります。ニュージーランドのヘリスキーの動画を見て、山間の一面の雪景色の中、クレバスもあるような環境を滑る様子に感動し、行きたくなりました。

でも、ニュージーランドでは規制があり、ニュージーランド国籍か居住ビザがないと、中古の別荘を購入することができないそうで、それは少し残念ですね。

いずれ事業でも起こして、新築か賃貸か、何かの形でニュージーランドを拠点の1つにしたいです。時差が少ない範囲で、日本、アジア、ニュージーランドのトライアングルの中で生活するのが理想ですね。

--MOVはいつから利用していますか?

2025年1月に、コワーキングスペースがなくなったので移動してきました。

同じスペースにいた人たちはかなり分散しましたが、それでも把握しているだけで7、8人はMOVに流れてきていると思います。

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