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学びを楽しさに変える 英語講師・文筆業・パーソナルトレーナーの三本柱
富岡 恵 - MOVの100人インタビュー

--まずは簡単な自己紹介をお願いします。
富岡恵(とみおか・めぐみ)と申します。仕事は、英語講師・文筆業・パーソナルトレーナーという三本柱がありまして、共通しているのは英語をとにかく楽しんでもらいたいということです。
MOVができたころはパーソナルトレーナーがメインだったのですが、その頃から本を書く仕事が増えてきて、今は文筆業がメインになり、それと並行して大学や塾での講師やパーソナルトレーニングをしています。
年に1〜2冊くらい執筆していて、改定や翻訳も含めると29冊出版しています。私は基礎力の強化がとても大事だと思っているので、内容は基礎英文法に関するものが多いですね。
--英語に興味を持ったきっかけは何ですか?

私の父は、独学で英語がしゃべれるようになったんです。父は若い頃から英語にとても興味を持っていて、街で外国人を見かけるとすかさず話しかけるような人でした。
のちに海外に行く仕事を得て、イタリアやカナダなどで海外勤務を経験し、英語ができるようになって帰ってきたそうです。
私は、父が海外から帰国してかなり経ってから生まれました。10歳くらいの頃、父が知り合いと英語で話しているのを見て、自分もやってみたいと言ったら、英語を習わせてもらえることになったんです。
寺子屋みたいな英会話教室で初めて英語を習った時、イギリス人の先生の発音を真似して言ってみるのが本当に楽しくて、たくさん褒めてもらえるのもとてもうれしかったのを覚えています。その時から私も英語が大好きになりました。
言語学も好きだったので大学院に行こうかと思っていました。しかし、父が病で倒れ、家族を経済的に支えたいと思い、最初に習った英会話教室で子どもたちに英語を教えはじめたんです。
その後、子どもだけでなく大人にも教えたいと思い、別のスクールに転職しました。しかし、そこでの仕事が結構大変で、親たちのケアも必要になったので、30歳のときにフリーランスになりました。
--生徒さんはどのような人たちですか?

生徒さんはほとんどが紹介で女性が8割くらいです。英語を学ぶ理由はさまざまで、仕事で使いたい人もいれば旅行で話したいという人もいます。
全然話せなかったけれど外資系希望で、ずっと勉強を続けて外資系の会社に見事入社を果たした方もいらっしゃいます。年代は10代から60代までけっこう幅広いですね。
日々の勉強は地道なものなのですが、英語の勉強や上達を目指すプロセス自体を楽しいと思う気持ちが強い人ほど、結果的に長く続けることができ、しっかり上達しています。
「ここがダメだった」「なぜできないのだろう」とマイナス思考だと、ダメなほうに目線がいってしまってやめてしまう人が多いんです。
最初のレッスンで「あなたの楽しかったことは何ですか?」と、子ども時代から振り返ってもらいます。例えばギターを弾くのが好きだったなら「では、英語と音楽を絡めて学びましょう」と。
できるだけ好きなことと絡めて、本来の目標に繋げていけるようにお手伝いしています。
--TOEICの勉強は面白くなさそうですが楽しめるものですか?

TOEICはちょっとクセのある、ゲーム性の強い試験です。あの制限時間で、あの量を聞いたり読んだりするには、語彙増やし・文法精度UP・反復練習が不可欠です。
私の場合は、例えば新しい単語を10語覚えるなら、「今から10分、よーいどん!」とタイムトライアルにしてみるなど、それこそ学習もゲームっぽくして、面白がりながら取り組んでいます。「自分はどうやったら楽しいか」に気づけるといいですよね。
一人の学習では無理なので、グループでやりたいという人もいます。今はTOEICコミュニティというのがいくつもあって、受験した人同士で、LINEのグループなどで感想戦をやるんですよ。
「今日受けた人、こういう問題出たよね?」みたいに。その座談会みたいなのが楽しくて試験を受けている、と言う方もいます。
他の生徒さんで、手先がとても器用で、切り絵やロウソク作りをされている方がいらっしゃるのですが、英語力を駆使して海外から物を仕入れ、自分が制作したものをイベントに出展するなど、英語と好きなこと・得意なことを組み合わせています。
どちらも楽しんでいらっしゃるので、英語も技術もますます上達されていくんですよね。
--ご趣味は何ですか?
趣味はカフェ巡りです。パソコンを持ち込んで、カフェで執筆することもありますし、カフェに行くことをその日の目標にして仕事をすることもあります。
最近は、一度インスタでバズってしまうと週末などは混んでしまうので、平日の朝のスキマ時間に行ったりします。
カフェ専用のインスタグラムを10年くらいやっていまして、投稿数が3690です(我ながらびっくり)。今は週に2〜3回しか上げていませんが、始めたばかりの頃は楽しくて毎日上げていました。行きたいカフェ情報はインスタから拾っています。
渋谷なら「茶亭 羽當」という老舗のカフェがおすすめです。カウンターがあってコーヒーカップが並んでいたり、大きな花瓶が飾られていたり、とても雰囲気のある店内なんです。チーズケーキが最高においしくて、外国の方もたくさん訪れています。
あとは今、蔵前がけっこう流行っていますね。コーヒーを焙煎している素敵なカフェが多いので、友だちと一緒に行っています。
産地など特にコーヒーに詳しいわけではありませんが、カフェの雰囲気とあの空間で飲むコーヒーが好きなんです。
--今後どのような活動をしますか?

私、ラジオが好きなんです。聞くのも好きですけど「渋谷のラジオ」とご縁があって、以前は月に1回、今は2カ月に1回、出させてもらっている番組があります。
「渋谷のラジオ」はコミュニティラジオなので、渋谷の人はラジオで普通に聞けますし、全国どこでもインターネットで聞けますよ。
いろいろな番組があって、ミュージシャンやアパレル業界の人から青果店の人まで、とにかくいろいろな人が出ています。
「渋谷のラジオ」はNPO法人が運営しているので、ボランティアの皆さんがいて、活気があって面白いんです。ラジオで話すことが大好きなので、ラジオに出る機会が増えたらいいなと思います。
--富岡さんのMOV歴はけっこう長いと伺いました。
MOVのことは全然知りませんでしたが、ヒカリエができたその日に見に来ました。オープン当日は下の階が混んでいたので、上の階から見てみようと思って、8階で「ここは何ですか?」と聞いたら「お仕事スペースです」って言われて。
ちょうどフリーランスになりたてで執筆を始めていたのですが、家だと集中できないと思っていたんです。その頃からカフェでも書いてましたが、当時はWi-Fiもなかったからやりづらいと思っていました。
事務所を借りるのは少しハードルが高かったのですが、MOVは家からの距離や立地もいいし、パーソナルのレッスンでゲストを呼ぶときにもわかりやすいなど、条件が全部そろっていたんです。
話を聞いて自分が求めていたところだと思いました。一回は持ち帰りますといって家で考えましたが、もう絶対行くしかないと思って、翌日から使い始めました。
それから13年です。ここがあったからこそ、たくさんの本が書けたと思っています。
--MOVの人とつながっていますか?

MOVですごく友だちが増えたし、スタッフのみんなはほぼ家族みたいな感じで、いつも応援してくれて心強いです。
漫画家の友だちとは、コーヒーを淹れているときに「コーヒー飲みますか?」みたいなやり取りから仲良くなりました。彼が「本を出したい」というので「こういう出版をしたらいいんじゃない?」みたいな話をしていたら、その流れで一緒に本を書くことになりました。彼が漫画を描いて、私が英語の解説や例文を担当した本を2冊作りました。
MOVで思いもよらない、貴重な出会いがあったおかげです。
友だちになった人たちの職業はさまざまで、MOVに来なかったら出会わなかった人ばかりです。
これからも知らない職業の人と出会ってみたいですね。どういうことをされているんだろう、どうしてその職業を選んだのだろう、英語が好きかも聞いてみたい。とても興味深いですね。
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