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エンジニアとして生きる、その先を考える
ニッタスタジオ株式会社 新田 聡一郎 - MOVの100人インタビュー

--まずは簡単な自己紹介をお願いします。
新田聡一郎(にった・そういちろう)です。現在30歳。2012年からソフトウェア開発の仕事を個人でしはじめたので13年目です。
主にReactというフロントエンドの技術を使って、エンジニアリングとデザインを両立しながら開発をやってきました。
--これまでのキャリアについて教えてください。
17歳、高校2年生のときに、IQ株式会社というFacebookアプリの開発会社でインターンをしました。(現在一緒に仕事をしている夏目さんと出会ったのもこちらです)。
1ヶ月後くらいに、htmlをちょっと教えてもらったくらいの状態で独立するといって辞めました。笑。で、今にいたります。
19歳のときに、インターンをした会社のCTOと一緒に株式会社を立ち上げたのですが、ちょっと馬が合わず。現在もそこの役員にはなっていますが、活動は個人にもどり、令和2年からニッタスタジオ株式会社を立ち上げて、現在5期目です。
--エンジニアになろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

なにか大きなこと、ビジネスをしたいな、と漠然と思っていました。そんな中で、僕が15、6歳のときにスティーブ・ジョブズが亡くなったんです。本屋にいくと、顎に手をあてたジョブズが表紙の書籍が山積みのベストセラーになっていて、ソフトウェア業界のことを知りました。
その後、高校3年生のときに、ソーシャルネットワークというドキュメンタリー映画を観て、マーク・ザッカーバーグがphpというサーバーサイドの簡単な技術を使ってデジタルのサービスを作り上げ、ここまで成長してきたんだっていうことも知りました。
それで、一番大きく成長できるのがソフトウェアなんじゃないかと思ったんです。僕はお金も、経験も、なにもかもない状態だったので。原価もかからない、在庫も必要ない。ソフトウェアというデジタルのものをお金にできるということが、都合が良かったのかもしれません。
--スティーブ・ジョブズから受けている影響はありますか?

すごくありますね。最近は動画の翻訳の技術が発達してきたので、当時は英語が分からなくて理解できなかったスティーブ・ジョブズの資料動画もみることができるようになったので、いまだに生きていた頃の動画を見たりします。
デザインと開発を両方やろうと思ったのもティーブ・ジョブズの影響が大きいです。
--エンジニア業界はどうなっていくと思いますか?
GitHub Copilotがでてきた2024年くらいからAIにも取り組んでいますが、エンジニアがこれから職業として続いていくかは、瀬戸際に立たされているなという感覚です。
初学者とか中堅層のエンジニアは不要になって、うわずみのほんの少しだけが必要な世界がくるんじゃないかと思うんです。
コロナ前後あたりは、エンジニアバブルみたいな時代が数年間続いていて、当時はジョブホッパーのように、転職をするとどんどん給料が上がっていくので、職歴はアップデートしていったほうがいいという風潮でした。
メガベンチャーや企業への正社員雇用がちょっと難しいエンジニアたちがあぶれてしまっても、採用が賑わっているので、けっこういい仕事に就けたりしたんですよ。年に2、3回チームを変えて仕事をすると、人によっては正社員よりも年収が高くなっていたり。
それゆえに、今後は一番最初に刈り取られるところなのかなと思います。コストも目立つし、業務委託なので切りやすいし、すごく優秀なエンジニアってわけでもない。
--それを踏まえて、新田さん自身は今後どうしていきたいですか?

僕はけっこう悲観的なタイプかもしれないです。AIに仕事を取られるだろうと思っている。なので、今年1年間に関しては、自分が今まで蓄えてきた知識や技術を、換金するときだと思っています。
AIのおかげでたくさん生産できるようになったので、安価で大量に作るということを目指しています。コードをかかなくても大量生産できるような仕組みを、自分の手元でつくりあげて、クオリティの高いものをたくさんつくれる状態にしていきたい。はじめて営業にもコストをかけていますよ。
--なにかまったく別のことをしてみたいという願望はありますか?
それはまったくないです。趣味もないし、旅行も好きじゃない。はじめにいった通り、ビジネスがしたかっただけで、プログラミングが好きというわけでもない。逆にプログラミングは僕にとって苦痛でしかなかったので、なくなってくれるのはありがたいです。笑。
将来を見据えてやっていることは、自分がコードを書かなくてもある程度AIに任せられるようになるための準備です。
例えばAIエディターも、ルールを覚えさせないといけないじゃないですか。そのルールは個人個人が持っている秘伝のタレのようなもので、自分の手元ではいい感じに動くけど、違う人のマシンではちょっと違った出力になるということが起こりうるわけです。
また、既存プロジェクトの改修だとしたら、そのプロジェクトに即している必要があって、そうすると事前にAIに渡しておく情報が重要です。安定的にクオリティの高いアウトプットを出すには、チームのみんなで準備する必要があります。
エンジニアって考え方の違いや好みもあって、複数人で開発していくと、設計のルールで喧嘩したりするんですが、人間ならチームの偉い人に合わせようとか暗黙の了解があったりします。
でもAIは空気を読めないじゃないですか。なのでそこを明示的にして、共通認識を作っていく。それは人間にとってもいいし、AIにとってもいいと思うので、そういう場所を作りたいんです。
--ご趣味はなんですか?

なんだろう...あ、ビール!クラフトビールにめちゃくちゃハマりましたね。Hazy IPAというスタイルが好きです。ホップがものすごい大量に使われていて、向こう側が見えないくらい黄色く濁っているんです。
アメリカの東海岸がメインですが、日本だと山梨のうちゅうブルーイングが好きですね。あとはアメリカから輸入しているインポーターのお店「Antenna America」はいいビールが置いてありますよ。
そういえばクラフトビール好きは、MOVで出会ったエンジニアさんの影響も少しあります。Hazy IPAを教えてくれたのがその方で。2年くらい前まで一緒に仕事してました。
--いま注目している技術はありますか?
Rustという言語を使ったTAURIというフレームワークは注目はしてます。Mac OSでも、Windowsでも、IOSもAndroidもWEBも作れる。
最新の技術はいっぱい知っているつもりなんですけど、でもインパクトが大きいのはやはりAIの方ですかね。
AIが知っている技術が多くなってきたので、マイナーな技術を発掘する楽しみみたいなものは少なくなってきているかもしれないです。みんな知らないけど、これがこうひっくり返す可能性あるぞ、みたいなワクワクはなくなっちゃいました。
たぶん技術だけに限らず、世の中がそういう風になっていくんじゃないかと思ってます。
--現在MOVで実証実験中のAI名刺Supawaveについてひとことどうぞ!
みなさんに楽しんで使っていただけますよう、良いサービスにします。宜しくお願いします!
MOVの100人インタビューに挑戦中! ↓↓↓(新田さんの記事は代打 MOVてんちょう著です)