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「映画館で笑った事、ありますか?」 とにかくボケたい。人の心を描いたアクションコメディ映画を作る STUDIO EVALACRES 北川 博康 - MOVの100人インタビュー

--まずは簡単な自己紹介をお願いします。
STUDIO EVALACRESの北川博康(きたがわ・ひろやす)と申します。映画の監督・プロデューサーをやっております。
現在「どうしようもない10人」(主演:福澤重文)という映画を製作中です。どうしようもない10人が、ダブルミリオンダラーを奪い合うという、(高尚な?)物語です。「どうしようもない奴でも、生きてて良いだろ」というのが伝えたいメッセージです。
--これまでの経験について教えてください。

慶應義塾大学を中退し、サンフランシスコ州立大学(SFSU)の映画学科に編入しました。SFSU卒業後は1年間ロサンゼルスで、インディペンデント映画の現場で照明部として働いていました。
帰国後は、日本の映画業界で照明部⇨装飾部⇨演出部として働きました。チーフ助監督として「踊る大捜査線3&4」や「はやぶさ」などの日本映画を中心に働いていましたが、英語が話せるので、ヒュー・ジャックマン主演の「ウルヴァリン」の日本撮影に参加することになりました。(初めての合作は大変だったなぁ・・・)
その後は、日本の作品と並行して、海外チームが日本で撮影するTVドラマ(「ガールズ」「モーツァルト・イン・ジャングル」など)や映画(「マンハント」「アースクエイクバード」「レイブンズ」など)に参加することが増えました。
いろんな監督や映画作りを経験させて頂いた後に、インディペンデントで短編映画「シズカ」(主演:アオイヤマダ)を製作しました。「シズカ」は2024年のロサンゼルスのJapan Film Festivalやブエノスアイレス国際映画祭などで上映して頂きました。ありがたい事にMOV市でも上映して頂きました。そして、「どうしようもない10人」を製作する直前の2024年の4月にSTUDIO EVALACRESを設立しました。
--撮りたいのはどんな作品ですか?
日本文化を勝手に解釈した映画です。チャップリンやジャッキー・チェンなどの人が動く姿や、寅さんや落語が持つユーモアが好きなので、アクションコメディー映画になると思います。
日本人なので、そこに人情噺を入れたいです。またドラゴンボールや北斗の拳のような世紀末を舞台にした世界観も好きです。勝手に「どうしようもない10人」は世紀末アクションコメディ映画、と呼ぼうと思っています。
助監督をやりながら脚本や企画書も書きましたが、原作のないオリジナル作品となると実現のハードルは上がります。なので、まずは僕が映画監督として持つ世界観やユーモアを認知してもらう為に、長編映画「どうしようもない10人」をSTUDIO EVALACRESで製作しました。
「どうしようもない10人」は、自分がやりたいボケがたくさん入った世紀末アクションコメディです。ちなみに、僕は真剣にボケていたのでコメディ映画だと思ってなかったのです(笑)。周りがコメディだよ、ってちゃんと指摘してくれました。仲間が居るって、本当にありがたい事です。
日本に撮影で来た海外作品に多く携わって一つ感じた事があります。それは「自分の中にある文化を土台にせずに、何かを表現するのは難しい」って事です。
外国の人が日本人スタッフに日本文化の事を聞いて、表面的に正しい作法を描いても、やっぱり人の心には伝わらないですよね。そう言う経験を通して、僕は外に求めるのではなく、自分の中にある文化を大切にして、それに対して遊び心を持ってボケたいと思っています。
--今後、どのように活動していきますか?

まずは、映画「どうしようもない10人」の魅力をどう人々に訴求をしていくか。そこを考えて行きたいです。いろんな事が厳しい今の世の中に、「どうしようもない奴だって、生きてて良いだろ」というメッセージを伝えたいです。
そして、新たな作品を提案していきたいです。その為には仲間を少しずつ増やして行けたらと思っています。僕がやりたいのは、アクションとボケ。そして僕の作品には必ず黄金の便器が出てきます。そんなこちらの想いをお伝えして、いろんな事を話して、仲間になって頂きたいです。
それを一つずつ積み上げて、次の作品に繋げていきたいです。作品を作り続けることは簡単ではないですが、いろんな人とお喋りしながらその大変さを楽しんでいきたいです。
--動画サイトも身近な現代ですが、良い映像とはどのような映像でしょうか?
良い映像とは、見ている人の心を掴むものだと思います。人の心を掴むのは簡単ではありません。いろんなやり方がありますが、大切なのはテクニックや技術よりは、真剣さやアイディアだと思います。
僕の場合は、自分のボケが通用するかどうかですかね?ボケて描くキャラクター達の生き様や世界観を通して、作り手の人間性や心がお客様に伝わるかどうかだと思います。
--プライベートについて教えてください。

子どもがいるので、週末は子どもの野球に参加します。そこでいろんなおじさん達とする他愛のない会話がとても好きです。おじさん達と飲むお酒は、本当に楽しいです。
また、子供だけでなく、自分も運動しなければと思って、最近キックボクシングを始めました。初めての格闘技で全然出来ないです。でも、そこが面白いです。そこでも周りの面白いおじさん達に助けられています。
(写真は撮影中に引き馬をさせて頂いた時のモノです。彼女はメスですが、オスは100キロ以上体重が重く、力強いです。そして、オスに足を踏まれました・・・)
--MOVではどのように過ごしていますか?
MOVに入ったのは2023年の5月です。見学に来た時、 MOVスタッフの雰囲気がとても良かったので、そのまま入りました。撮影とか外部での作業がない時は、ほとんど朝から夜までMOVで過ごしています。
「どうしようもない10人」の企画開発・脚本執筆・オフライン編集も全てMOVでやりました。
MOVではいろんな友達が出来ました。なので、僕が思いついたアイディアをいろんな人に聞いてもらっています。(向こうは迷惑かもしれませんが・・)MOVでの会話で生まれたボケは、結構「どうしようもない10人」の中で使っています。
また、お客さんとのアポイントメントも、ヒカリエというと、結構向こうから来てくれる事が多いです。道案内も「ヒカリエに来てください。8階です」でだいたい事足ります。MOVが心地よいのか、2回目以降の打ち合わせも MOVになることが多いです。
--MOVでどんな人と出会いたいですか?

誰でも大歓迎です。皆さん、いろんな経験をお持ちでそれぞれの考えがある方が多いので、誰と話しても面白いです。
僕もシャイなので、出会うきっかけとして、2ヶ月に1度のパーティーや、金曜日の夕方のビールも良いですね。あと、MOV市も。やっぱりイベントがあると、普段話せない人とも話すことが出来ますね。
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