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世界初!離れた場所でもリアルタイムで同時にコーディングできる!
ビジュアルプログラミングツール『プログミー』の石橋 康大さんにインタビュー

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小さいうちから習得しておけばよかったと思うことってありますよね。わたしの場合は、水泳、外国語、そしてプログラミング。なかでもプログラミングは、いま、学んでみようかな?という方も多いのではないでしょうか?

でも働きながら一人で学習するのはちょっと大変。そんなとき強い味方になってくれそうなのがビジュアルプログラミングツールProgummy(プログミー)です。複数人で同時に編集できる夢のようなプログラミングツールで、石橋康大(いしばしやすひろ)さんが代表をつとめるスタートアップ株式会社プログミーさんが開発されました。

聞けば、世界初のツールとのこと!「ひとりでは難しいことでも、家族、友達、同僚と協力すれば、思ったよりかんたんに解決することがある。そんな最高のコラボレーションをサポートすることで、もっと便利に楽しくチームワークを発揮できる世界を作りたい。」そう語る石橋さんに、プログミーのここがすごい!を伺います。 winner.jpg

2022年2月に開催したシードステージ限定ピッチイベント『登龍モヴ』でも高い評価を得て優勝!!写真は勝利者インタビュー中の石橋さん。(向かって左)

てんちょう
MOV

さっそくですが、プログミーについて教えてください。

石橋さん
石橋さん

プログミーは初心者の方にむけたプログラミング学習のソフトウェアです。おもちゃのレゴみたいにブロックを積んでいくタイプのツールで、いわゆるビジュアルプログラミングツールと言われています。

てんちょう
MOV

同じようなツールのなかでも世界初!と伺いました。特徴はどんなところなのですか?

石橋さん
石橋さん

プログミーはGoogleドキュメントのように共同編集できる機能を搭載しています。そこが世界初です!離れていても、リアルタイムで同時に編集できるので、学習者同士がグループワークでプログラミングするとか、生徒さんへのオンライン指導がスムーズになります。加えて、作ったプログラムを実行するときに、オンラインで一緒に遊べるという特徴も持っています。

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実際の画面がこちら。カラフルで見た目も楽しい。

てんちょう
MOV

楽しそうですね。開発のきっかけも、お子さんと遊んでいるときだったそうですね。

石橋さん
石橋さん

わたしがソフトウェアエンジニアをしていたので、子どもにも早いうちからプログラミングに触れさせようと思って、当時3歳ぐらい(現在は8歳!)の長男を膝の上にのせて、二人でパソコンを見ながら「ちょっとやってみようか」と、既存サイトにアクセスしてやってみたんですね。

てんちょう
MOV

大人がやってることって興味持ちますもんね。

石橋さん
石橋さん

ベーシックなやり方を教えて、わりと楽しそうにやっていたんですけど。子どもがやりたいことは、どういうふうにブロックを繋げると叶うのかというのは、もちろんエンジニアなのでわかるじゃないですか。ついつい手を出したくなるんですけど。「パパ、触らないで!」と怒られてしまって 笑。

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マインクラフトやフォートナイトみたいに、オンラインでマルチプレイできるゲームが大好きなお子さまにも喜ばれているそうです。

石橋さん
石橋さん

もともとGoogleドキュメントみたいな共同編集ツールが大好きだったので、他のパソコンからこのプログラムを同時に編集できたら、もっと子どもと一緒に楽しめるし、もっと便利になると思ったんです。それでそういうツールを世界中探したんですけど、なくて。ないなら自分で作ろうってことで、当時のエンジニア仲間に声をかけてプログミーを作りました。

てんちょう
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世界中を探してもない機能って、開発も大変だったのでは?

石橋さん
石橋さん

同僚の中で一番能力の高いエンジニアに協力してもらったんです。「こういうのできないですかね」って声をかけたら、何人かに協力してもらえて。本業の傍らで、数ヶ月かけてプロトタイプをつくりました。

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同じようなサービスを探しているスレッドをネット上で見つけても、最終的には「そういったサービスはない」という結論ばかりだったそう。ないなら作る!そのマインドがスタートアップを生み出すんですね。

てんちょう
MOV

今チームにいらっしゃるポーランド人のエンジニアさんもその時から?

石橋さん
石橋さん

エミルですね。彼は途中からです。立ち上げ当初から、このプロダクトはグローバルに展開していきたいと思っていたので、エンジニアを増員しようというタイミングになったときに海外で探そうと思ったんですね。

リサーチしたところ、東ヨーロッパの地域に優秀なエンジニアが揃っているらしいという話を聞いて。その中でも、親日国であるという背景や、英語でのコミュニケーションの取りやすさなども加味して、ポーランドを中心に探してみようと決めました。

てんちょう
MOV

ポーランド...あてがあったとか?

石橋さん
石橋さん

ぜんぜんなかったので 笑。在日本ポーランド商工会議所にダメもとでメールして、事業内容とエンジニアを探していることを伝えたら、代表の方がとても親切で。ちょうどポーランドで人材のプラットフォームやってるスタートアップのCEOがいるから紹介するよって言ってくれて。応募してくれた人たちの中にいたエミルさんにお願いすることになったんです。

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世界最大級のEdTechコンベンション『The Bett Show』に出展中のエミルさん。いまもポーランドにお住まいで、プログミーにはフルリモートでコミットしているそう。

てんちょう
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行動力!大事ですね。創業していちばん嬉しかったことを教えてください。

石橋さん
石橋さん

やっぱり最初の売上ですね。最初のお客さんは京都のプログラミングスクールさんで。最初の売上なので数千円ですけど、金額以上の喜びや嬉しさがありました。

てんちょう
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プログラミングって興味ある大人もいっぱいいると思うのですが、プログミーは大人にも役だったりしますか?

石橋さん
石橋さん

はい!実際に社員研修で使いたいというお声もいただいています。社員研修の場合はプログラミングの習得というよりチーム開発という意味合いが強いですね。あるいはエンジニアチームをマネジメントしないといけない非エンジニアの方達の研修とか。

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教わる方にも、教える方にも高評価!ーprogummyオフィシャルサイトより。

てんちょう
MOV

立場によっては、ありえますもんね。

石橋さん
石橋さん

普通のプログラミング言語を使って同じような研修をやろうとすると、まず、その言語の文法とか書き方を習得する必要があるんですけど、プログミーの場合はビジュアルプログラミングツールなので、その段階をスキップできます。かつ、チームみんなで一緒に作れる。オンラインでもチーム開発の研修ができる。コロナのタイミングがはまった点でもあります。

てんちょう
MOV

なるほど、遠隔でプログラミングを教えるってちょっと大変そうですけど、同じ画面を編集できるなら双方ストレスなく学べそうですね。では今後のビジョンを教えてください。

石橋さん
石橋さん

ブロックを積んでプログラムが書けるのは楽しいし、入口としてはいいんですけど。JavaScriptとかPythonといった言語にスムーズに移行すること考えると、ブロックをずっとやっていても、残念ながらできるようにはならないので。ブロックで組んだプログラムをJavaScriptに変換して閲覧できる、JavaScriptやPythonの、初歩の段階に親しんでいただけるような作りにしていきたいと思っています。

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みんな楽しそう。一人じゃないって大事ですよね。

てんちょう
MOV

それは楽しみ!

石橋さん
石橋さん

今はプログラミングの範囲の話になっていますけど、ゆくゆくはもっと大きく。たとえば、プログラミングを学びたいと思う動機って色々あると思うんです。フロントのことがちょっとやりたいとか、最近だったらブロックチェーンとかNFTってどうなの?とか。ちょっと前の、AIやディープラーニングをきっかけに、プログラミングに興味をもってはじめてみたという方がいっぱいいると思うんですね。でも始めてみると、ハローワールドやらされて、ぜんぜん実践にいたらない、みたいな 笑。

てんちょう
MOV

わかります。わたしにも心当たりあります。関数(n)って n じゃなきゃだめなの?とか 笑。

石橋さん
石橋さん

初心者だとエラーメッセージを見てもどこがエラーなのかわからなかったり。ロジックとかアルゴリズムを組むことが本質的な部分なのに、それ以前の環境構築や、文法ごとの書き方とかスペルミスで躓いちゃう。

そういうプログラミング入門の障壁を高くしている部分を、どんどん省いていく。例えばAIを始めたい人が、「AIってこういうものなのね」ときちんと理解できるところまで簡単にビジュアルで学べる。
テックを学ぶすべての人の入り口になって、"テックの民主化"をしていくのが目標です。

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知識や技術を習得できたら忘れてしまうような不便さや大変さを、便利で楽しいものに変換する。この発想はどんな業界にも不可欠です。「みんなの創造性を解き放ちたい!」とピッチ中の石橋さん。

てんちょう
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すばらしい!!生涯、学習者でいられそうです!

石橋さん
石橋さん

「一緒だと、もっと楽しい、もっと身に付く」という、プログミーのよさから生まれるソーシャルな側面も絶対に大事にしていきたいです。既存のユーザーがどんどん友だちを誘って一緒に開発したり、作ってから一緒に遊んだり。そういう構造を活かせば、世界中で輪を広げることができる。プログラムを一緒に学ぶ・一緒に作る、というコラボレーションがグローバルに起こっていくプロダクトにしていきたいと思っています。

わかりやすくて楽しいというモチベーションに国境はない!日本でもプログラミング学習が必修化になって、ちょっと戸惑っている親御さんや教育者の方にとっても、強い味方になりそうなプログミー。気になってきた方は、オフィシャルサイトからどうぞ。

さらに現在、新しいプロダクトも仕込み中とのこと。MOVでは1年間、プログミーさんを応援しながら、今後の展開もご紹介していきます。お楽しみに!