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1日で楽しく飛ばせるイチからのドローン操縦


トップ&サムネ?.JPG

ドローンを自在に操り、有名アーテイストのMVやPR動画、映画・CM・テレビ番組など、幅広く撮影を手掛けるプロ・ドローンカメラマンの早川晋平さん。

ドローンカメラマンになる前は、コピーライトも撮影もデザインもこなす敏腕広告クリエイター。その長いキャリアの中でドローンと出会い、「ずっと作りたかった、観る人が引き込まれるような映像が撮れる!」と感激したんだそう。しかし、当時はまだドローン撮影は日本で普及しておらず、「誰もいないなら自分でやっちゃえ」と独立したのが3年前。以来、ドローンとともに全国各地を飛び回り、活躍の場を広げていらっしゃいます。

現場での撮影ばかりでなく、セミナーやワークショップも開催している早川さん。今回は、毎回即座にチケットが売り切れると言う人気のワークショップに潜入しました。タイトルは「1日で楽しく飛ばせるイチからのドローン操縦」。定員わずか4名と、超クローズドだった講義の内容から「知らなかったぜ、ドローン!」と言いたくなる6つの知識をお届け。クイズもあるよ!

※以下は2018年2月24日に開催されたイベントMOV市 - Neighborland 2018 -での内容を書き起こし、まとめたものです。


知らなかったぜドローン!その①
ドローンってなんなの?


ドローンっていうのは、そもそも無人航空機のことを言います。無人航空機ならなんでもいい。極端なことを言うと、無人戦闘機もドローンですし、無人のヘリコプターもドローンです。その始まりも、無人の戦闘機(軍事利用)と言われています。


無人戦闘機(フリー).jpg

▲▼早川さん「見た目は全然違いますが、どっちもドローンです」


drone-INSPIRE.jpg

ドローンエンタープライズHPより




ドローンって言うと、みなさんはこの写真みたいな、いくつかプロペラがついてるものを思い浮かべませんか?実は、あれの正式名称はマルチコプター。複数の羽がついているから、マルチ(「複数の」という意味)ですね。

ではドローンの語源はなんなのか。それは、オスバチです。ハチが飛んでる時の「ブーン」っていう音と、ドローンが飛んでる時の「ブーン」っていう音とが、変換ができるからだそうです。ほんと、そっくりなんですよ。



知らなかったぜドローン!その②
ドローンはなんで飛ぶの?


では、ここでクイズです。
ドローンが飛行できるのは、プロペラがたくさんついているからじゃありません。プロペラも含めて、とある構造があるから飛べるんです。さあ、なんでしょうか?

ヒント、いきますね。
ヘリコプターを思い出してください。ヘリコプターっていうのは、機体の上の大きなプロペラだけじゃなくて、尾翼の方にもプロペラがあります。飛ぶためにはどちらも必要なんですが、ただ回っているだけではないんです。


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▲ペットボトルをヘリに見立てて説明してくれる早川さん




正解は、隣り合ったプロペラが逆回転することで、動力と機体の回転を制御しているからです。逆回転っていうことが大切。全て時計回りだった場合、機体がぐるぐると回るだけなんですね。有名なアニメで、空を飛べる竹とんぼがありますよね?あれ、実際に作る場合は、ぐるぐる回るだけ。飛べません。


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▲ぐるぐる回る様子を実践してくれる早川さん




そうならないように、ヘリコプターは尾翼の小さなプロペラが、大きなプロペラとは逆回転している。機体だけがぐるぐる回る力を抑えることで、ようやく飛べるんです。よく映画で、ロケットランチャーの攻撃が、ヘリコプターの尾翼にガーンと当たって、ぐるぐる回転しながら墜落するシーンがありますよね。それは、この原理があるからです。




同様に、ドローンも、それぞれのプロペラが逆回転してないと、まっすぐ上がりません。一個でもプロペラが壊れちゃった場合には、すぐに墜落します。



知らなかったぜドローン!その③
ドローンの種類分けは?


ドローンの種類っていうのは、重量で分けると非常にわかりやすいです。
今回は200g未満のトイドローンを紹介します。軽い方が扱いやすいのはもちろんですが、日本には航空法というものが存在しています。航空法の規制対象になるのが、200g以上。なので、200g未満の「トイドローン」は、比較的に気軽に飛ばせます。


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▲200gのトイドローン




逆に200gより重いものももちろんあります。一番重いのは5、6kgぐらい。航空法の規制対象になるので、国土交通省の申請が必要だったり、気をつけないといけないことが増えたりします。



知らなかったぜドローン!その④
ドローンを飛ばす時のルールって?


「トイドローン」は航空法の影響を受けないって話をしましたが、飛ばしちゃいけない場所っていうのもあります。

例えば、国の重要機関。皇居の横でトイドローンを飛ばしてたら、わーっと警察がきます。注意しないといけないのが、公園です。ドローンを飛ばしてOKな公園とNGな公園があるから。OKな公園でも、できるだけ端っこの方、ひと気のないところで飛ばしてください。なぜかというと、例えば、子供が遊んでる近くで飛ばすと、間違いなく親御さんからクレームが来ます。すると、公園内で飛ばせる範囲がどんどん縮小されていくんですね。

飛ばすときはまず、"マナーを考える"ってこと。これは、しっかりやっていただきたいなと思います。


ドローンと公園(フリー).png

▲「ドローンのマナーを考えよう」ドローンのマナーについて紹介されている早川さんのブログより。





知らなかったぜドローン!その⑤
ドローンが急に登場した理由は?


「ドローン、ドローン」って話題になりはじめたのが、ここ2年ぐらいです。さて、そもそもどうしてドローンが急に出てきたんでしょうか?三択クイズです。

3択クイズ.png

▲会場は、②番と③番に意見が分かれました。




③番も間違いではないんですが、正解は②番になります。
技術が向上したからバッテリーやカメラ、GPSなどの部品が小さくなった。モノが小さくなると飛行時間が長くなるんです。大きなドローンだと5分ぐらいしか飛べなかったのが、いまは最新のものだと30分ぐらい飛べます。

【離陸しました→対象のところまでいきます→帰ってきます】で3~4分かかります。
つまり5分しか飛べないとなると、何もできません。かたや30分飛べるとなると、行って帰る時間を引いても27分ぐらいある。撮影も含めて、なにかを検知するってこともできるようになって活躍の場が拡がったんです。



知らなかったぜドローン!その⑥
ドローンは、これからどこで活躍していく?




▲映画やCM、テレビではなじみ深い空撮。でも、それだけじゃないらしい。




空撮っていうのはもう皆さんご存知だと思うので割愛します。

まず、農薬散布。日本でもすごい頑張ろうって動きにはなっています。ただあんまり実現はしてない。その理由にはJAという大きな壁があるからです。普及するにはJAさんが今後どうするのかっていうのがあります。

配達。2020年までの実用化に向けて、日本政府にも後押しされています。でもまだ、ドローンを街中で飛ばすのは難しい。そこで注目されているのが離島です。高齢化が進む離島は、医者不在なところがほとんど。行くのだって簡単じゃないので、まず薬を届けるためにドローンを使う。1年から2年後には実用化してると思います。

測量と環境調査。人が入って行けないところを撮影して、現状どうなっているのか、ドローンを使って調べられます。自然災害で甚大な被害を受けた場所へドローンが入って行って、現場の様子や、人が残ってないかっていうところを調べたりする。熊本の地震でも活躍したそうです。

あと、インフラの点検。これ、儲かります


infra.png

▲インフラの点検の様子はスクリーン右下


参照ブログ記事:「ドローン操縦士は儲かる?需要は?夢見る"甘いビジネス"ではない理由。」


高架下のコンクリートの劣化を調べるとか、高圧電線の点検をするとかですね。今までは人間がやっていたことを、ドローンだと安全に・安価に・スピーディーにできます。さらに、有線ならバッテリーも尽きません。で、なんでこれが儲かるかっていうと、点検っていうのは2年後3年後と定期的にあるからです。つまり、仕事がずっと続きます。おすすめです。



ドローンで「まだ出会えていないワクワク感を」提供すべく活動しているという早川さん。撮影技術はもちろん、ドローンにまつわる、あらゆることを発信されているブログも素晴らしいんです! とにかく文章がすごくわかりやすくて面白い!全記事読んだ筆者のおすすめはこちら!早川さんの興奮が伝わってきて超ワクワクします。ドローン関係ないけど。笑

また今回、文章で説明できなかった、トイドローンを実際に動かす部分も含め、教科書的に活用できるコンテンツ「トイドローン初心者のための『気持ちよく飛行させる操縦術』」をnoteにて販売中。ボリューム満点、お値段以上なこちらも要チェックです!