announcements interviews MOV
Channel
post small_talk

英語はものさし 英語パーソナルトレーナーMeglish Interview


meglish_03.jpg

独特の方法で行う英語のパーソナルトレーニングや「自分にあった学び方診断セミナー」、大学や企業での講師業と並行して、これまでに12冊のテキストを執筆、刊行されているMOVメンバーのめぐちゃんこと富岡恵さん。
オープン当初からMOVを利用してくださっている古参メンバーのうちのお1人です。今回は自著のこと、仕事のこと、そして仕事場としてのMOVのことなどを伺ってみました。

*この記事は2016年1月にスタッフブログにてご紹介したインタビューに追記、再編集を加えたものです。



――眼鏡、刈り上げ、そしてビビッドなカラーのファッション、がトレードマークのめぐちゃん。手掛けるテキストのカバーもご本人同様とても色鮮やか。レイアウトで工夫していることは?

一目で「広い!」って思うくらい余白をふんだんに取っています。これがやる気を引き出すのにとても重要なこと。自分で本を作るなら落書きしてもいいから、「あ、これならすぐ出来そう」と思えるようなものにしよう、と。私が対象にしているのは英語初心者の方だから、「じわ〜っと」やってもらいたい。

それからイラストを目一杯入れています。絵本のような感覚で進めてもらいながらも、内容は、実は知っていて損はないもの。 高校で急にテキストが「難しい空気」に変わる所為で、その時から英語が嫌いになる人がとても多い。本を見ただけでうんざりとか。そういうのをできるだけ払拭したい。いろんな工夫を凝らしたり、ちょっと遊べる要素をいれたり。
この本のイラストを描いてくださっている加納徳博さんもその意図を汲んでくださっていて。とにかく遊び心がある、できるだけヘンテコリンなイラストを描く方を、と思ってお願いすることになりました。ページによっては下絵を描いて「こういうコマで」とお願いしたものを、加納さん流に解釈して描いていただいています。初めの頃は何だか「漫画づくり」みたいでした。

meglish_05.jpgのサムネイル画像 meglish_04.jpg


こういうデザインの英語テキストは他になくて、出版社の人も「斬新すぎるからどうかな、売れるかな」と。多少なりとも一か八か、博打みたいなところがあったみたい。後で聞いたことですが。


――逆に上級編は余白がガクッと減り、字が小さくて、情報が詰め詰め。ギュウギュウに詰まったテキストの方が「やった!」という達成感を感じられるという方もいるそうです。「同様に学び方についても"音派"と"文字派"の2パターンに分かれる。どちらから始めても最終的にはつながるので手に取りやすい方、やりたいと思った方のテキストからやってほしい。」というめぐちゃん。なかでも"とっつきやすさ"はとても重要だという。

例えば、「talk about it」をカタカナ音「トーカバウリ」に置き換えて原文を当てる問題。授業でもみんな楽しんでくれて「もう1問ください!」と声が上がります。日本語と英語って言語としてものすごく離れている。「くっつく音」の練習ページでは、英語と日本語は違うということを一番言いたい。本人は英語っぽく発音したつもりでも、まだまだで。これは大学の授業の中で気が付いたことなのだけれど「トークアバウトイット」じゃなくて「トーカバウリ」の方が原語の音にぐっと近くなる。この方法でネイティブっぽく話せるようになって英語が面白くなったと言ってくれる人が増えました。

meglish_06.jpg

そうするとテキストにも反映させて、もっと多くの人に伝えたくなる。出版社からは「ホントにこのカタカナ語をテキストに盛り込むんですか?」なんて言われたけれど、この練習は絶対入れてください、と言って引かなかった経緯があります。 なかなか先に進まないつらさや、同じところばっかり間違える悔しさは、当然私も経験済み。だからこそ「でも楽しいやり方はあるよ」ということを伝えたい。「楽しみながら1冊テキストを終わらせた」経験ができるように。本をつくることが、英語を身につけたいと思っている人への応援になるかなと思っています。


――根幹の方法論は変わらないにしても、パーソナルトレーニングや大学の授業と、執筆という仕事は、アウトプットの形が違うように見えるのですが、めぐちゃんにとって違いはありますか?

反応が返ってくる時間に差はあっても、違いはあまり感じません。根本にあるのは「英語の楽しさを人に伝えたい」という気持ち。テキストは授業やレッスンでも使うので、不特定多数に向けてというよりも、具体的な相手を思い浮かべて書いています。「あ、この内容はあの人絶対やった方がいいな」とか。それが集まって一冊になった感じ。全部「人」というキーワードでつながっている。このテキストを使ったらこういう授業ができそうだ、というアイデアも思い浮かぶし、このページ詰めすぎてしまった!なんていう振り返りもレッスンや授業の中でしていて、それが次の本につながっています。

meglish_02.jpg


――執筆だけでも大忙しという風に受け取れますが、レッスンや講義などほかの仕事に支障は?

全く出ません。むしろ相乗効果の方が高かった。大学の授業のほかに、新しくセミナーを開講して、YouTubeで『Meglish the Doll』も始めたし、ニコ生に出演したり、講演しに行ったり、かえって仕事の幅が広がっているかも。本の執筆だけ、の方がつらくて、それ以外の仕事がリフレッシュにもなってとても有り難かった。 その分スケジュールの組み方がうまくなったし、急な変更があった時の対応力もついた。 毎日毎日の濃度がとても高いです。


――執筆、打合せ、レッスンではラウンジを、またセミナーでは会議室をと、MOVをフル活用してくれているめぐちゃん。まだ利用者もまばらだったころからずっと利用してくださっていますが、仕事場としてMOVはどうですか?

初めての本が出たのは、MOVがオープンした年の秋口。まだコワーキングスペースがメジャーになる前の、出来立てホヤホヤのラウンジで原稿を書いていました。なので執筆に関してはMOVと一緒に育ってきた感覚。始めた頃は自宅でひとり執筆していたので、煮詰まる上に、仕事時間と家時間の線引きが難しくて。どこかいいところはないか探し始めてMOVに出会いました。締切も迫っていてガッと集中する時期だったので、段階的にもいいタイミングだった。

この環境が整った、というのも続けて本を出してこられた理由の一つだと思います。場所があるから書けるし頭の切り替えができる、きちんと進むからスケジュールを組める、だからさらに進むという流れがつくれた。レッスンに来る生徒さんにとってもHUBの駅だし、この場所が丁度私の仕事スタイルに合っていると思います。

あとは、スタッフやメンバーのみんなが横目でチラッと見守ってくれているのも励みになった。あ、書いてるな、って「チラッ」って見てくれているのがいい距離感。 執筆自体は孤独な作業だし、思うように進まなくて疲れちゃうときもある。 そういう日々のことを口に出せる環境がありがたい。新刊が出るよ、っていうと「わーーー!」って反応してくれるのがまた喜びで。すごく大きな原動力になっています。 コンスタントに仕事をしてこれたっていうのは、リズムが作りやすい、場所がある、自由な働き方ができる、その上、人とも適度に会えるっていうのが大きかったんじゃないかと思っています。

それに、ここには遊び心のある人が多いし、職業も不思議。私が本をつくる上で遊び心と笑いは重要なことなので、MOVからもその刺激をたくさん受けています。

IMG_3888.JPG


――「笑う英語に福来たる!」というモットーからも分かる通り、"笑い"を大切にしているめぐちゃん。やればやるほど、英語が楽しくて仕方ないのだとか。楽しくさせる、ではなく、一緒に楽しく!どう頑張ったところで一生外国語のまま、完璧にならない英語。だからこそ、フレーズなり単語なり、手に入れたそのひとつの道具が役に立ったとき、すごく嬉しくて楽しい。そういう小さな積み重ねで、自分の世界が広がっていくのがとても面白いのだそう。

外国語全般に言えることだけれど、知識として技術としてその言語に対する理解が増えていくと、自分を見る"ものさし"にもなる。なぜ、何のためにやるのかっていうのが見えてくる。 本当にやりたいことのために英語が必要なんだと気がつくと、みんな上達が早い。勉強の仕方にも如実に変化が表れる。自分のためにやってるんだと納得するからキチンとやるようになる。やると点数あがる、そうすると面白いからもっとやる。ドンドン上手くなる。そうやって変わっていくのを見るのが面白い。

英語とふれあう、向き合うと、本当にこのやり方でいいのかなと考えるようになって、生活スタイルについても考える。いろいろ試していくと、その時の自分にとってベストな状態が分かるから、自分を変えたい人や、煮詰まっている人は、やってみたらいいと思う。 ほかでもなく、自分を知るために。


――英語は他人との相互理解のためだけでなく、自分と会話するツールでもあるんですね。

そう。外とつながるための言葉なんだけれど、実は内側ともつながるんだなぁと思って。私はほぼ外国に行ったことがないので、海外で使えた、繋がった経験はほとんどないけれど、英語のお陰で自分の中の世界はものすごく広がった。今のような仕事の仕方も出来るようになったし、本当にやりたいことは何かを追求していく過程で、自分にとって無駄なもの、必要ないものには囚われなくなった。
英語はそもそもそういう言語じゃない?ぐいぐい来るっていうか「What do YOU think?」をずっと聞いてくる感じ。 自分の意見を突き詰めて考えないと前に進まない。そういう風に仕事をしていたらMOVも見つかったし、仲間とも出会えたりする。そんな気持ちもありながら本を書いています。



歌うように朗らかに話し、心からの笑顔でまわりの人まで笑顔にしちゃうめぐちゃん。学び方の研究にも余念がなく、人相占いと英語の勉強を掛け合わせた開運占いや、その人に合った学び方をチャートで探究するセミナーなども考案。学び方や選び方、そして生き方についても、たくさんのエールやヒントを与えてくれます。今後の活躍も楽しみです!

そんなめぐちゃんの新刊情報はこちら、そしてお仕事をもっと知りたい方はこちらから!